決裂した2人の男性を、再び結び付けた女性の話。

アナナスさん、20才社会人デビューの巻。

これは私が20才の時。大昔の話。^^

私は、20才で、専門学校を卒業後、、友人のつて、で、銀座にある印刷会社に
アルバイトとしてもぐりこみ→ 正社員になりました。

この会社、大阪に本社があり。 本社の人間は10人くらい。

私のいた東京支社は、私のほかに、営業の男性が2人だけ。
35才のTさんが、所長兼営業であり、32才のKさんがふつうの営業の人。

このTさんは、とても魅力的な人で、みずがめ座の、進歩的な考えの持ち主。
ビートルズで、ジョン・レノンが好きな人。

で、この会社。
20畳くらいのワンルームで、印刷会社のデスクが3つ。
私と、Tさん、Kさん用。 電話がそれぞれのデスクに1つずつ。

で、この場所に、間借りしている別の会社のおじさん(65才くらい)がいた!
この方Iさんは、たいへん温厚な紳士で、貿易会社をひとりで運営していた。

Iさんの机にも電話がひとつ。
私は、このIさんが不在の時に、この会社の電話にもでました。
違う会社名を名乗って!

ここは、社会慣れをまったくしていない、子供のような私にとって、
社会第一歩として、いろんなことを教えてくださったありがたい場所でした。

なにしろ、パソコン、ワープロすらない時代で!

連絡手段は電話とファックス。
また、外出している営業さんに、緊急の連絡があったとき、ポケベル、で呼び出して、
先方から、公衆電話で、会社に電話をかけてもらう、という、牧歌的な?時代です。(*^^*)

でんわ

私は、もちろん、お仕事をしていましたけれど。
ひまな時は、会社で雑誌を読む余裕があり! お菓子をたべ!
お茶を入れ! そんなまったり生活をしていました。
女の子ひとり、ということで、甘やかしていただいたところもあったでしょう。

別会社のIさんは、貿易会社をひとりでしていて。
彼は、いつも、英文レターの書き方本を見ていて、オリベッティの英文タイプライターを
打っていました。

私は、Iさんから、英文タイプライターの打ち方を教えていただきました。

lettera
そんなまったり生活も、、、、いきなり、この事務所に人が増えることになり、
激変しました。。

私が所属する印刷会社の社長さん、、コテコテの大阪人は、とっても声が大きくて
こわくて笑顔がすごくて、本音でがんがん話して、、、そういうキャラの方でした。

この方が、友人を、また、東京事務所に、間借りさせてあげる、ということになり!

いきなり、この事務所内に、また別の会社(貿易会社)の人が、3人、デスク3つ、電話3つを
持って、入居してきました! できたてほやほやの会社だそうで。

うわあ、、狭くなりました!
20畳くらいの事務所に、デスクが7つ。そのうち、自分の会社のものは3つ。
会社が3つ。 人が7人。 うち、私の会社の人は3人。

なんだか、半分以上、乗っ取られていないのかしら????
人を間借りさせて、これでいいという社長は、おもしろい人だと思いました。
(今思うと、もちろん、事務所費を折半していたのでしょう!
何しろ、東京都中央区銀座にある事務所! 賃貸料は安くないはず!)

人が増え、活気づいている事務所内。。熱心に働く人が増え。。笑
私のまったり生活はどこに!?雑誌、、読みにくい!

決裂した2人の男性を、再び結び付けた女性の話。

この入居してきた会社の、社長さん男性Jさん(55才)、そのビジネスパートナー男性Dさん(55才)
また事務の華やかな女性(50才)。


Jさんは、ニューヨーク大学卒業で、アメリカ人みたいな人でした。
日本語がうまいですね! と言いたくなるような日本語の発音。 
最初のあいさつで、熱い握手を両手で求められた時、逃げたくなりました。なんだかなあ。。

また、ビジネスパートナーだという男性Dさんは、恰幅がよくて、背が高く、
声が大きな人でした。

いかにも、陽のパワーを発揮する2人が、ビジネスパートナーになり、会社を運営しているの
だから、仕事もうまくまわっていたのでしょう。

もうひとり、この事務の女性Tさん、、50才で、こんなに色っぽい人がいるのかと、驚きました。

彼女とお話してわかったのは、、この方は、演歌歌手! だそうで。
歌手活動で成功しているのに、会社創設の際は、とてもデリケートだから、あなたの力が
ぜひほしい、、と、社長さんから熱心に頼まれ、断れきれず、それで、3か月だけ、
本業の歌手活動を休んで、事務のお手伝いをすることにした、そうでした。

Tさんは、何か不思議なカリスマ的な魅力があり。
ふつうの人じゃないよなあ、、と、思っていたので、歌手の人!とわかり、
納得しました。

Tさんと仲良くなり、いろんな人生のことを教えていただきました。

この貿易会社を創立したJさん、Dさんは、もともと親友だったそうで。
(彼女は、共通の友人だった。)

しかし、3年前、この男性方に、ちょっとしたギクシャクが起きて、彼らは、
相手を激しく責め、結局、関係を決裂させざるをえなかったそうです。

しかし、彼女は、この親友どうしが、仲を決裂させるのはもったいないと思った。
3年待ったけれど、関係改善を、彼ら自身ではできそうもないので。。

それで一計を図った。

彼女は、Jさんに対してこう言った。
《Dさんは、あなたのことを気にしている。あなたがうまくいっていてほしい、
と、言っていたわよ。》


また、彼女は、別の時に、Dさんに対して、こう言った。
《Jさんは、あなたのことを気にしている。あなたがうまくいってほしい
と、言っていたわよ。》


お互い、決裂したとはいえ、以前は親友だった、しかも、本当はやり直したい、と思っている。
でも、男性が持つ、プライドがじゃまして、
《あいつが先に俺に謝るなら、仲直りしてやってもいい》
この思いだけで、3年経過してしまった。

なので、そのあたりを、よくわかっている彼女が、彼らの仲を復活させるタイミングを計り、
そうして、彼らのこころの中の一番いい本音だけを、それぞれに言葉として渡してあげた。

すると、、、、、

彼らは、、、、結局のところ、親友に戻り!

今こうして、ビジネスパートナーになり、ひとつの会社を作り出した!
ということだ!

彼女は《人間はね、、結局のところ、自分のことをわかってほしいのよ。 
とにかく、先に、わかってもらいたいの! 

そのちょっとしたタイミングがずれたら、
こんなふうに、親友どうしでも、決裂しちゃうこともあるけれど。

でも、お互いを思うところがあったから、私のことばがきっかけで、やり直すこともできたわけよ。

あなたには話しちゃったけど、当人たちには内緒よ。》


彼女がウィンクして、ふふふと、笑ったのが美しかった。
当時20才だった私は、こういう大人の女性になりたいと思いました。

今日も私にお付き合いくださりありがとうございました。

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